もうすぐ父の70歳の誕生日。今まで出来ていなかった
親孝行をちゃんとしたくて、父の古希のお祝いに家族旅行を計画。
父の希望で、旅先を自然豊かな信州に決め、
中でも丁寧な接客とおもてなしが評判の、翔峰を予約した。
車を走らせ、1年ぶりの実家へ両親を迎えに行く。
翔峰へ向かう道中、孫たちを前にふたりとも頬が緩みっぱなしのようだ。
翔峰に着くと、玄関でスタッフの方が笑顔で出迎えてくれた。案内された駐車場に車を停め、外に出ると澄んだ空気が胸いっぱいに広がる。数時間車に揺られて少し疲れてしまった様子の両親も、北アルプスの美しい絶景を前に笑顔を見せてくれた。
フロントでチェックインを済ませたあと、仲居さんに案内され、予約していた貴賓室へ。
「ひろーい!」「見ておじいちゃん!大きな窓からお山が見えるよ!」部屋へ入るなり、広々とした室内に子供たちが大はしゃぎ。驚きながらも嬉しそうな表情で、部屋の調度品や北アルプスの絶景に目をキラキラさせる両親。
お祝いと孝行を兼ねた旅行だから、奮発してこの部屋を選んで良かった。
部屋に荷物を置き、早速温泉へ。
孫たちとお風呂に入りたいと言っていた父の希望を叶えるため、貸切風呂を予約しておいた。選んだのは内湯と露天風呂が繋がる御殿の湯。広くて綺麗なお風呂に、父も子供たちも喜こんでくれたようだ。
子供たちを父に任せ、母と妻は展望風呂「美しの湯」へ、私は大浴場へ向かう。
温泉は内湯も庭園露天風呂もとっても広くて、久々に一人でのんびり入浴を楽しむことができた。
母と妻は展望露天風呂の前にある水面に景色が映っていてとてもきれいだったと顔をほころばせていた。
お風呂を楽しんだあと、父と子供たちとも合流し、眺めの良いガーデンテラスへ。湯上がりに爽やかな風が心地よくて、他愛ない話が弾む。
「見て、すごく綺麗」妻が指さす方に目をやると、夕日に照らされた北アルプスの峰々が、美しい色に染まっていた。
待ちに待った夕食の時間。スタッフの方に案内され、予約しておいた小宴会場へ。
父の古希のお祝いということで、お祝い会席膳とオプションの舟盛りを用意してもらった。
色とりどりの料理に大人も子供もみんな目を輝かせている。
どれもとても美味しくて、父もうまいうまいと喜んで食べていた。
食事も終盤に差し掛かった頃、こっそり頼んでおいたケーキが運ばれてきた。
スタッフの方も一緒に、家族みんなでバースデーの歌を歌う。
「おじいちゃんお誕生日おめでとう!」
父はずっと驚いた顔をしていたが、孫の言葉にやっと照れくさそうに笑ってくれた。
サプライズ大成功!
楽しい時間はあっという間に過ぎ、お腹もふくれて部屋に戻る。まだまだ元気が余っている子供たちは、広い部屋をかけまわっていた。そんな様子を楽しそうに見ている両親。
子供たちが遊び疲れて眠った頃、やっと大人だけの時間。お酒を飲もうと妻が提案し、ルームサービスを頼んだ。話題はもっぱら孫のこと。談笑しているうちに、夜も大分更けてきた。そろそろ寝ようと皆立ち上がった時、父が小さな声でポツリと呟いた。
「今日は本当にありがとうな…」
リニューアルしたばかりのキレイなレストラン「旬菜ダイニング信州」で朝ごはん。オープンキッチンから熱々のできたて料理を味わう。翔峰名物のオリジナルカレーやおにぎりなど、その土地ならではの味も楽しむことができた。
朝食のあとは少しのんびり過ごそうと、
父と子供たちを連れて翔峰の外にある絶景の足湯へ。
母と妻は売店で信州土産を買うために別行動。
今日はとても天気がよく、庭園の緑の背景に、北アルプスの峰々が見える。
初めて入る足湯に、子供たちも「きもちいいね」と喜んでいた。
足湯を楽しんだ後、売店へ向かうとずらりと並ぶお土産を前に、どれにしようか母と妻が見て回っていた。
買い物を済ませた母と妻も「ゆっくりお土産が選べて良かった」と満足そうな顔をしていて、私も自然と笑みがこぼれた。
荷物をまとめ、旅の最後は家族みんなで記念写真。
全員でちゃんとした写真を撮るのは初めてだったから、少しだけ緊張感で表情が固くなってしまう。そんな我々に気がついたカメラマンの方やスタッフの方がうまく対応してくださり、場が和み普段通りの雰囲気の中、記念の1枚を撮ることができた。
きっとこの1枚が、最高の想い出になるのだろう。
私が用意した全てのサプライズが成功し、父と母、そして妻や子供たちも楽しんでくれた2日間。スタッフの方々の協力や丁寧な対応で、私自身もとても気持ちよく過ごすことができた。小さな子ども連れだったが、スタッフの方の細やかな気遣いで、安心して過ごせたと妻も言っていた。
チェックアウトを済ませ、玄関へ向かうと、スタッフの方々が笑顔でお見送りをしてくれた。満足感の中、車で翔峰を後にする。
「またみんなで来ようね」